日本ミュージアム・マネージメント学会第20回大会で研究発表をしました

http://www.jmma-net.jp/katudou/20taikai/20taikai.html

<発表タイトル>

「ミュージアム横断の学習プログラムデータベースへのアクセス数向上策:実践と検証」

 <要旨>

ミュージアムは生涯学習を支援する社会的なシステムとして期待されており、教育普及活動として各種の学習プログラムが開発され実施されている。実験システムPCALi(ピカリ)の開発は、学習プログラム開発者がミュージアム間の情報交換・交流によって効率的かつ高品質の開発を容易にすることと、一般市民が学習プログラムの目的を意識して利活用できるようにすることを目的としている。このシステムは、幅広い世代のユーザの様々な目的での活用を対象としている。本研究では、ユーザが年齢・地域によらずにPCALiの機能にアクセスする可能性を上げるために、特徴が異なる複数のサイトを組み合わせるウェブサイトの設計を行った。設計の意図は、個人の学びを継続的に支援することと、より広く認知されるためのオープンなアクセスの両立である。ウェブサイト公開後の初期のアクセス状況の把握により、設計の意図が基本的に実現されていることを確認した。

<内容>

  • 問題の所在
    実験システムPCALi(ピカリ)は、開発者と一般市民にミュージアムで実施される学習プログラムのデータベースの提供を行う。ユーザの情報環境は多様であり、単に情報を公開しただけでは情報アクセスは限定される。
  • 研究方法
    ユーザが年齢や地域によらずにPCALiのウェブにアクセスする可能性向上のために、特徴が異なる複数の情報提供方法を組み合わせた。
    実際のアクセスデータから複数の情報チャネルの関係を分析し、効果を検証した。
  • 結果
    ミュージアムでの直接の会員登録とウェブ上の3サイトのアクセスデータを収集し、地域と性別年齢の分析の結果、複数の情報提供方法はそれぞれが別々のユーザの関心を獲得していることを確認できた。
  • 考察と課題
    システム公開の初期段階において、複数の情報提供方法(検索やSNS上でのつながり、等)によってより多くのユーザアクセスを獲得できることを実証した。今後は個々のユーザの利用状況の質的な分析も行いたい。

発表

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学会紀要(第19号)に実践報告として掲載された内容です。

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