全日本博物館学会第39回研究大会で研究発表をしました。

http://www.museology.jp/13soukai/soukai13629630.html

<発表タイトル>

「博物館のWord of Mouth 広報の可能性について-日本浮世絵博物館の事例-」

  <要旨>

  • 研究の目的と背景

130630_pict0001_2 博物館の広報活動において市民の協力を得る口コミ(Word of Mouth)の手法の可能性について具体的な提案を行うことを目的に研究を進めている。 1990年代後半にはじまったインターネット利用の普及により、全国の博物館はあらたな情報発信のツールとして施設のホームページの作成・公開に踏み出した。その後のWebの応用技術の高度化と、ブロードバンドやスマートフォンの普及による日常生活への浸透は、一般市民と博物館の間の関係にもあらたな高次の構造を生み出し始めている。2005年から急速に広まったブログ、その後のSNS等によって誰もがウェブを通して情報を発信できるようにWebの利用形態は変化してきている。これらの市民の情報発信・交換を、博物館の広報活動に役立てることを試みた。

  • 口コミ(Word of Mouth)活用の活用計画事例

日本浮世絵博物館(長野県松本市)では2012年に公式ホームページのリニュアルとSNS(facebook)の立ち上げを行った。世界各地からのアクセスを獲得している。 設計にあたって想定したプロセスは以下のとおりである。

      1. 博物館サイト立上げ
      2. Facebookによる第一次ユーザの口コミ(Word of Mouth)発生
      3. その時点では浮世絵に関心がなかった多数のユーザによる情報入手
      4. 情報入手者の中から一定割合の実際の来館

発表では、実際の成果について定量的に中間報告を行うと同時に、課題として明らかになった点を報告する。 さらに、博物館本体からの情報発信を媒介者となって広める市民の付加価値について考察する。

  • 参考

日本浮世絵博物館ホームページ http://www.japan-ukiyoe-museum.com/

日本浮世絵博物館facebook https://www.facebook.com/Ukihaku

共同研究者 日比谷孟俊(慶應義塾大学付属システムデザイン・マネジメント研究所)